買い物が旅の目的ではない

私は夫がショッピγグに興味がないことを知っているから、なるべく素通りするようにしているつもりなのだが、夫は気がついてしまう。「好きなものがあるのなら買いなさい。待っているよ」と言ってくれる。しかし、女の買い物は、店に入ってパッと買うわけにはいかない。だから、そうやさしく言ってくれでも、私は、「買い物が旅の目的ではない」と、自分に言いきかせ、「いいの、いいの」と夫の申し出を断わる。旅を愉しむ四つの心掛けヨークという古い町を旅していたとき、私はどうしてもショッピング街に行ってみたくなった。列車に乗る前の一時間ほど、一人で、ショッピγグをすることに夫と話がついた。十一時半に公園のベンチのところで会うことにして、私は一人で歩き始めた。買い物ができるのでうれしいのだが、そればかりではなく、何かほっとするものもある。一人で店をのぞいて歩いていると、一時間はあっと言う問である。その上、ョくねっているし、よくよく計算しているつもりだったが、五分ほど遅れてしまった。夫はそういうことが大きらいなので、私は、まず謝り、さりげなく、他の話を始めた。夫はいつもと違って黙っている。私はそれに気付かないふりをして駅へ向かった。列車の中で昼食を済ませたら、夫も少しずつ話し始めた。自分で言うのもおかしいが、夫と私は、日頃から二人だけで楽しく話したりしているので、夫といることに慣れている。しかし、今回の旅で分かったことは、どんなに二人でいることに慣れていても、朝から夜まで、そして眠るときも一緒にいて、朝食も共にというこ人だけの旅のときは、時折、別行動をする時間をとることが大切のようである。何日かに一度は、半日だけでもそれぞれが自由行動をして時クの町は曲り刻を決めてホテルに落ちあう方がよいようだ。一人は早く帰って昼寝をするもよし、他の一人は、相手が特に興味のないところへこの機会に行ってみるとか。たとえ、衰の方が外国語に弱くとも、半日ぐらいは、一人で動けないはずはない。ちょっと心細くても、一人で官険してみるのが旅の醍醐味であろう。第二に、夫婦、それぞれ我債を言わないことである。洗躍をしたこともない夫も、先にホテルに帰ったら、自分のものだけでも洗うぐらいはした方がよい。妻を旅に連れて来ているという気持ちは、男性ができることは、妻の分もしてあげることと考えて欲しい。第三に、経済的な予算をざっと組んで、特に女性の楽しみであるショッピングに夫はロばしを出さないこと。